上記でアドバイスした「手っ取り早い対症療法」「質問に上手に英語で答えるコツ」「質問する一番簡単な方法」は陳腐で多くの皆さんは既に知っていると思います。勿論、英会話初心者でも直ぐに使える効果的な入門テクニックです。しかし英会話学習書籍やテキストで紹介されている「決まり文句」や「サンプル表現」をそのまま使ったり、知っている単語をいくつか並べるだけの会話をしていては、いつまで経っても自分の言葉で英語を話せるようにはなれません。
外国人講師(NT)と日本人の初級生徒(JS)の会話、2つの例
NT: Where do you live? どこに住んでるの?
JS: I live in Nakano. How about you? 中野です。先生は?
NT: Well, I came to Japan 3 years ago ... 3年前に来日して。。。
コメント:自分が住んでいるところを言ってから直ぐに「先生は?」と訊き返しているので先生の住居の話になってしまった。
NT: What do you like to do in your free time? 暇な時、何するのが好き?
JS: I like to go out in my free time. How about you? 外出です。先生は?
NT: Me, too. I always go driving with my wife and visit various sightseeing spots near Tokyo.
私も同じ。いつも東京近隣の観光名所に妻とドライブに行くよ。
JS: Me, too. 私も同じです。
コメント:外出が好きと言ってから直ぐに訊き返したので先生の話になり、更に先生の話に対して先生の相槌を「マネ」てそれで会話を終了してしまった。
上記2つの会話を楽しく続けるには何が必要でしょうか?
私達ACEは、会話を楽しく続けるには、次の「創造性 Creativity」が必要と考えます。
1)自分で英文を作れる(質問文も含む)「創造性」
2)自分の発話に興味深い情報を付け加える「創造性」
3)的確で効果的な英語の話し方ができる「創造性」
この3つの「創造性」を発揮すれば、次のような会話に発展するはずです。
NT: Where do you live?
JS: I live in Nakano, 7 minutes from Shinjuku by train. 新宿から電車で7分の中野に住んでます。
NT: I see. You live in the center of Tokyo, don't you? そう。東京のど真ん中に住んでるんだね。
JS: Yes, and my office is in Shinjuku. はい、オフィスが新宿にあります。
NT: Oh, that's really convenient for you. へぇ、すごく便利だね。
JS: Yes, it is. How about you? Where you you live? はい。先生はどちらにお住まいですか?
中野に住んでいると言った後に「電車で新宿から7分」という情報を加えたので会話が発展した。
NT: What do you like to do in your free time? 暇な時、何するのが好き?
JS: I like to go out in my free time. I went to Nikko with my wife last Sunday. 外出です。日曜日に妻と日光に行って来ました。
NT: That's nice. I want to visit Nikko someday. Did you drive? いいね。いつか日光に行きたいよ。車?
JS: No, I don't have a car. We went there by train. いいえ、車持ってないんです。電車で行きました。
NT: I see. Where did you take the train? そう。どこから電車に乗ったの?
JS: We took the train from Asakusa, about 2 hours to Nikko. 浅草から行きました。日光まで約2時間でした。
「妻と日光に行った」という情報を加えたので会話が発展して、
更に先生もいつか日光に行きたいと思っていたので、交通手段を尋ねられた。
まとめると、
1)自分の言葉で英語を話せるようになる為には自分で英文を作ることが出来ないと駄目
2)外国人と楽しく実りのある会話をするには自分の発話に興味深い情報を付け加えることが大切
3)異文化間コミュニケーション・ルールに則った的確で効果的な英語を話すことが大切
ということです。