平素は当会の活動にご支援ご協力を賜り誠にありがとうございます。
食事は、栄養や水分を摂るために必要なことですが、それ以上に幸せ時間をもたらしてくれる要です。どんなに質素であっても、日常の営みで欠かすことができない大切なものです。それは、重度の障害がある人や終末期であっても同じです。少子高齢化が加速するなか、老々介護やひとり暮らしの高齢者、要介護者は増加していきます。フレイル予防を含めて、栄養状態や食物形態の調整が重要であることは周知されていますが、「何をどんなふうに作ればいいの?」「どのようにアドバイスすればいいの?」という介護者や支援者の声が散見されます。
軟らか食品などの介護食が多く出回るようになり、利便性はよくなったものの、経済面や嗜好面からも、どうしても手作りのなじみがある食事を求める人も多くいます。介護食や嚥下食のレシピは書籍やインターネット上で多数出回っていますが、多くは食物形態や栄養に主眼が置かれており、お手軽さや経済性を考慮した上で、摂食嚥下機能に対応した食物形態、姿勢調整・食具・介助法等の包括的視点に言及したものが少ない印象です。
そこで、包括的視点として、KTBCを網羅することで、要介護者の誤嚥性肺炎を予防したり、心身のバランスを良好にできたりと、生活環境への注意喚起となり、サービス提供者との意見交換がより有効的・効率的になることが想定されます。さらに、いつどこで起こるかわからない災害時の備えと対応についても、2024年に義務化されるBCP策定を踏まえた有事への備えを紹介することで、困窮した状態を乗り越える一助になるのではないかと考えました。
以上のことから、「おいしく食べ続けたい-KTBCとお手軽介護食」を出版することで、食事サポーター講座を開催したり(食事サポーター講座標準テキストの改訂版にする)、在宅介護サービス提供者や、クリニックなどでも、患者さんや利用者にアドバイスしたりすることができ、効果的な医療・福祉サービス向上に貢献できるのではないかと考えました。
つきましては、皆様に本テキスト作成の趣旨をご理解いただき、作成費用と講座開催における協賛金のご寄付を賜りますよう何卒よろしくお願い致します。